技能実習から育成就労へ
様式の対応表と変更点
はじめにお読みください
本記事は公表資料をもとに整理したものであり、提出・保管にあたっては 必ず外国人技能実習機構(OTIT)および出入国在留管理庁が公表する最新の公式様式をご使用ください。 制度移行にともない様式や運用は変更される可能性があります。個別の判断は所管の窓口または専門家にご確認ください。
制度移行のスケジュール
技能実習制度は、育成就労制度への移行が進んでいます。2026年9月時点で、以下の手続きの受付が既に始まっています。
| 手続き | 受付開始 | 備考 |
|---|---|---|
| 監理支援機関の許可申請 | 2026年4月15日〜 | 円滑な審査のため、2026年9月30日までの申請が推奨されています |
| 育成就労計画の認定申請 | 2026年9月1日〜 | 施行日前の事前申請 |
| 育成就労制度の施行 | 2027年4月1日 | 技能実習制度は経過措置を経て廃止 |
見落とされやすい点
現在の監理団体は、監理支援機関へ自動的には移行しません。 あらためて許可申請を行う必要があり、要件も厳格化されています(外部監査人の選任が全機関で義務化)。
様式の対応表
定期的に提出する主要な帳票について、技能実習制度の様式と育成就労制度の様式の対応は次のとおりです。
| 帳票 | 技能実習制度 | 育成就労制度 | 提出者 |
|---|---|---|---|
| 実施状況報告書 | 様式第10号 (規則第23条第1項関係) |
様式第14号 (規則第40条第1項関係) |
実習実施者 /育成就労実施者 |
| 監査報告書 | 様式第22号 (規則第55条第1項関係) |
様式第23号 (規則第71条第1項関係) |
監理団体 /監理支援機関 |
| 事業報告書 | 様式第23号 (規則第55条第2項関係) |
様式第24号 (規則第71条第2項関係) |
監理団体 /監理支援機関 |
| 日誌(帳簿書類) | 参考様式第4-2号 (規則第22条第1項第3号関係) |
2026年9月時点で 様式一覧に未掲載 |
実習実施者 /育成就労実施者 |
「様式第23号」が両制度に存在します
技能実習制度の様式第23号は事業報告書、育成就労制度の様式第23号は監査報告書で、 まったく別の帳票です。移行期は両制度が併存するため、様式番号だけで判断すると取り違えます。 必ず制度名と様式名をセットで確認してください。
記載項目の主な変更点
単に番号が振り直されただけではなく、記載する内容にも変更があります。以下は公表されている様式ファイルの記載欄を確認して整理したものです。
1. 在留区分(1号・2号・3号)の区分がなくなる
技能実習の実施状況報告書(様式第10号)では、技能実習生の人数や賃金を 第1号・第2号・第3号の区分ごとに記載する必要がありました。 育成就労の様式第14号ではこの区分がなく、単一の人数・単一の平均値を記載します。
| 欄 | 技能実習(様式10号) | 育成就労(様式14号) |
|---|---|---|
| 対象者数 | 第1号/第2号/第3号 別に記載 | 合計人数のみ |
| 労働条件等(賃金・労働時間) | 区分ごとに3列 | 1列のみ |
| 昇給率 | 第2号移行時/第3号移行時 | 2年目/3年目 |
2. 技能・日本語の試験区分が変わる
試験の受検状況を記載する欄も、制度の設計変更にあわせて再構成されています。 育成就労では日本語能力の試験に関する欄が追加されているのが大きな違いです。
| 技能実習(様式10号) | 育成就労(様式14号) |
|---|---|
| 技能検定 基礎級程度(第1号修了者) | 初級相当 |
| 技能検定 3級程度(第2号修了者) | 専門級相当 |
| 技能検定 2級程度(第3号修了者) |
日本語能力の試験(A1相当以上) 日本語能力の試験(A2相当以上) ※ 育成就労で新設 |
| (日本語試験の欄なし) |
3. 新設された欄・削除された欄
- 【新設】様式第14号 第6欄「監査の結果」 — 単独型育成就労に限り、監査・面談の実施件数を記載します。
- 【新設】様式第23号 第6欄「定期監査・臨時監査の別」 — 臨時監査の場合は、その理由の記載が求められます。
- 【新設】様式第23号 第15欄「出入国又は労働に関する法令違反の有無」 — 違反があった場合はその内容を記載します。
- 【削除】技能実習の様式第10号にあった「地域社会との共生に向けた取組の実施状況」欄は、 様式第14号には見当たりません。
4. 提出先の名称が変わる
提出先は「外国人技能実習機構 理事長」から 「外国人育成就労機構 理事長」に変わります。用語も以下のように置き換わります。
| 技能実習制度 | 育成就労制度 |
|---|---|
| 技能実習生 | 育成就労外国人 |
| 実習実施者 | 育成就労実施者 |
| 監理団体 | 監理支援機関 |
| 技能実習計画 | 育成就労計画 |
| 技能実習責任者/技能実習指導員 | 育成就労責任者/育成就労指導員 |
日誌(帳簿書類)はどうなるか
技能実習制度では、参考様式第4-2号として「技能実習日誌」が用意されていました。 育成就労制度に対応する日誌の様式は、2026年9月16日時点でOTITの様式一覧に掲載されていません。
なお技能実習日誌については、実務上の誤解が多い点が2つあります。移行後も同様の考え方が想定されるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。
- 記録するのは指導員側です。 技能実習生本人が書く日記ではなく、技能実習指導員等が「従事させた業務」と「指導の内容」を記録する帳簿書類です。
- 保管期間は「技能実習終了後1年間」です。 5年と説明されることがありますが、規則上は1年間です(第1号から第3号まで通して実習した場合は、通算すると長期の保管が必要になります)。
まとめ
- 実施状況報告書は 様式10号 → 様式14号
- 監査報告書は 様式22号 → 様式23号
- 事業報告書は 様式23号 → 様式24号
- 「様式23号」は両制度に存在し、中身が違うため取り違えに注意
- 1号/2号/3号の区分が廃止され、記載が簡素化される一方、日本語試験の欄が新設
- 日誌に相当する帳簿様式は、2026年9月時点で未公表
関連記事
認定申請の期限(2027年4月開始なら2026年11月1日頃まで)と準備項目は、育成就労計画の認定申請はいつまで?施行日前申請の期限と準備チェックリストにまとめています。
農業分野の転籍・日本語要件・受入れ上限は、育成就労の農業分野|転籍制限1年・日本語要件・受入れ上限2万6,300人で整理しています。